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2013-2017 文科省科学研究費 特別推進研究

MEMS 多軸力センサを用いた生物の運動計測





運動靴のスパイクピンにおける6軸力の計測



 

 近年、人の歩行の解析を目的とした歩行・走行時の力計測の研究が数多く行なわれている。人が歩行・走行する際に、重力と空気抵抗を除けば地面反力(GRF:Ground Reaction Force)だけが唯一の外力であることから、GRFの計測は重要な研究項目である。多くの陸上競技においては、競技者は底面の平らなシューズではなく、複数のスパイクピンを備えたシューズを履いて競技に臨む。スパイクシューズを履いた競技者のGRFは大きくなることが知られており、スパイクピンがGRFの増大、ひいては走力の向上に役立っていることが予測できる。また、GRFの大部分が地面に食い込んだスパイクピン部に作用していることは想像に難くない。それゆれ、スパイクシューズの機能および競技者の歩行・走行を解析するためには、スパイクピンに働く力とトルクの評価が重要となる。
 本研究では、スパイクピンの根元部にセンサチップを埋め込み、スパイクピンに働く力とトルクの計測を行なった。一般的にスパイクピンの直径は2~3mm程度であり、従来の力・トルクセンサではサイズが問題となり埋め込むことができなかった。そこで本研究では、スパイクピンに埋め込むことが可能な2mm×2mm×0.3mmサイズの6軸力覚センサチップを設計・試作した。センサチップはPDMSでカバーし、その後スパイクピン形状に成型したエポキシ樹脂の中に埋め込んだ。3軸力と3モーメントに対して較正を行なったセンサを用いて、歩行実験を行なった。

References :
1.Hiroshi Ishidou, Hidetoshi Takahashi, Akihito Nakai, Tomoyuki Takahata, Kiyoshi Matsumoto and Isao Shimoyama, “6-Axis force/torque sensor for spike pins of sports shoes,”; The 28th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS 2015), Estoril, Portugal, pp. 257-260, January 18-22, 2015. [Procedding]

 

東京大学大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 下山研究室
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